アマオケに参加して1年以上経過したが、レッスンで習っていない独特の風習みたいなものに戸惑いつつも、レッスンでは習うことがないこともいろいろあって面白い。
独特の風習というのは、いろいろある。
●ボーイング
小節の頭をダウンボーにするというもので、長いスラーの音型は仕方ないとしても、短いスラーの音型であっても、この原則を適用するために弓順を変更するということしばしばある。クラシック音楽は楽譜通りというのが原則があるが、ボーイングの都合によって、作曲家の指定を無視していることはよくあるし、実際に演奏する場合は、そうせざるを得ない場合も多い。
レッスンの曲と違うのは、奏法上配慮、演奏上での効果を狙ってトリルや一弦弓スタッカートはアップボーで演奏する指定が多いのだが、オケ曲では、原則遵守の力学の方が強く、こうしたことは考慮されない。
とは言え、時代考証的要素も少しは必要なのかもしれない。例えば、ビバルディなどのリトルネッロ形式の曲では、同じ音型の場合でも、ダウンとアップを交互にするとかが定石、モーツアルトの場合は、ダウン・ダウンというボーイングよりもアップ・アップで持ってくる方がよい場合が多いのであるが、これを指摘してくる人はあまりいない。
●重音
重音は、弾ける音を弾くという暗黙のルールがあり、これには違和感があるので、プルト内で相談して、どちらが上を弾くのか、下を弾くのか決めてもらっている。ちなみに三重音とか四重音を2音ずつ分けてカッコよくジャランと弾くのは、指揮者から怒られるので、分けて弾くことには意味がある。ちなみに私は、譜面に書かれている音符はすべて弾きたい派なのでいつも怒られている。
●ポジション移動や指使い
入団したての人から質問されてハッとしたのであるが、「ポジション移動や指使いは統一しないのか?」ということである。合奏の場合はこれでいろいろな音がブレンドされることになるので、良いことなのかもしれないと言っておいたが、ご本人様は不本意であるような顔をされていた。オケによっては統一しているところもあるのだろう。いずれにせよ統一するだけで、相当な稼働がかかることになる。
●トリル
トリルの数や音型の統一はしないのかとオケの指導者に質問してみたのだが、一笑にふされてしまった。オケのみんなにも笑われたので、「そんなに変な質問?」、「あるいは常識の類?」だったのかと思ったのだが、別のオケの弦楽器セクションの先生からは、統一すべきという指示があり、同じ現役プロオケの先生でも見解がいろいろあるのだろう。ちなみに我が師匠の場合は、トリルの数を指定するので、間違えるとしかられます。
●小指酷使
レッスン曲では、あまり出てこない小指を酷使する音型が、永遠と拷問のようにでてくるところが、オケ曲のすごいところである。セブシックとかでゴシゴシやるよりも、オケの曲の方が実践的、かつ強制的な拷問練習になる。おかげで随分と小指の動きが速くなった。
●ボジション移動
音型的にセカンド・ポジション、フォース・ボジションを使った方がよい場合が多く、練習教材としては良いのであるが、日頃から練習しておかないと音程が心配になる。なお、Simon FischerのScales教本では、各音階ごとで、さらに各ポジジョンごとにエクササイズが沢山掲載されているので、掻い摘んでやっておくのが良いと思う。
●変ト長調または変ホ短調
レッスンの曲では、あまりお目にかかることはないが、オケ曲では頻繁に出てくるので、音階練習と、分散和音練習はしておいた方が良いのであろう。特に「Cのフラットって何?」ということはよくあり、これだけでハーモニーが崩壊する現場を何回も見てきた。おそるべしCesの力である。
次回は、忙しい人のためのオケ曲ウォーミングアップについて書いてみることにする。
独特の風習というのは、いろいろある。
●ボーイング
小節の頭をダウンボーにするというもので、長いスラーの音型は仕方ないとしても、短いスラーの音型であっても、この原則を適用するために弓順を変更するということしばしばある。クラシック音楽は楽譜通りというのが原則があるが、ボーイングの都合によって、作曲家の指定を無視していることはよくあるし、実際に演奏する場合は、そうせざるを得ない場合も多い。
レッスンの曲と違うのは、奏法上配慮、演奏上での効果を狙ってトリルや一弦弓スタッカートはアップボーで演奏する指定が多いのだが、オケ曲では、原則遵守の力学の方が強く、こうしたことは考慮されない。
とは言え、時代考証的要素も少しは必要なのかもしれない。例えば、ビバルディなどのリトルネッロ形式の曲では、同じ音型の場合でも、ダウンとアップを交互にするとかが定石、モーツアルトの場合は、ダウン・ダウンというボーイングよりもアップ・アップで持ってくる方がよい場合が多いのであるが、これを指摘してくる人はあまりいない。
●重音
重音は、弾ける音を弾くという暗黙のルールがあり、これには違和感があるので、プルト内で相談して、どちらが上を弾くのか、下を弾くのか決めてもらっている。ちなみに三重音とか四重音を2音ずつ分けてカッコよくジャランと弾くのは、指揮者から怒られるので、分けて弾くことには意味がある。ちなみに私は、譜面に書かれている音符はすべて弾きたい派なのでいつも怒られている。
●ポジション移動や指使い
入団したての人から質問されてハッとしたのであるが、「ポジション移動や指使いは統一しないのか?」ということである。合奏の場合はこれでいろいろな音がブレンドされることになるので、良いことなのかもしれないと言っておいたが、ご本人様は不本意であるような顔をされていた。オケによっては統一しているところもあるのだろう。いずれにせよ統一するだけで、相当な稼働がかかることになる。
●トリル
トリルの数や音型の統一はしないのかとオケの指導者に質問してみたのだが、一笑にふされてしまった。オケのみんなにも笑われたので、「そんなに変な質問?」、「あるいは常識の類?」だったのかと思ったのだが、別のオケの弦楽器セクションの先生からは、統一すべきという指示があり、同じ現役プロオケの先生でも見解がいろいろあるのだろう。ちなみに我が師匠の場合は、トリルの数を指定するので、間違えるとしかられます。
●小指酷使
レッスン曲では、あまり出てこない小指を酷使する音型が、永遠と拷問のようにでてくるところが、オケ曲のすごいところである。セブシックとかでゴシゴシやるよりも、オケの曲の方が実践的、かつ強制的な
●ボジション移動
音型的にセカンド・ポジション、フォース・ボジションを使った方がよい場合が多く、練習教材としては良いのであるが、日頃から練習しておかないと音程が心配になる。なお、Simon FischerのScales教本では、各音階ごとで、さらに各ポジジョンごとにエクササイズが沢山掲載されているので、掻い摘んでやっておくのが良いと思う。
●変ト長調または変ホ短調
レッスンの曲では、あまりお目にかかることはないが、オケ曲では頻繁に出てくるので、音階練習と、分散和音練習はしておいた方が良いのであろう。特に「Cのフラットって何?」ということはよくあり、これだけでハーモニーが崩壊する現場を何回も見てきた。おそるべしCesの力である。
次回は、忙しい人のためのオケ曲ウォーミングアップについて書いてみることにする。