演奏会前の2週間前に弦を交換することにしているのだが、今回はD’Addario KAPLAN AMOという弦を使ってみた。前回は同じメーカーのVivoの方を使っていたのだが、音量が大きくはっきり発音でき、明るめの音色だったので結構気に入っていたのだが、AMOの方も気になっていたのであった。
 パッケージは、Vivoと同様であるが、デザインが違うのである。

Amo SetAmo Set裏面


さて、 Vivoの方もそうであったのだが、E線はループ・エンドとボール・エンドの両用である。このボールエンドを外す作業が極めて難しい作業だったので、下倉バイオリンの店員さんにお願いして外してもらうことにしたのだが、店員さんも外せなかった。「わあ、やっぱり難しいんだ。」と思ったしだい。職人さんにお願いしてやっとボールを外せた。もう少しループが広ければよいのだが、かなりギリギリである。こんなのだったら、ループエンドは別売にすべきと思うと意見しておいた。

Eループとボール


 さて、 VivoとAmoの比較であるが、こんな記事があるようだ。
 

 いろいろな意見があって面白いのだが、弦の評価は、楽器によっても随分で違うので結構難しい。ドミナントに似ているという評価もあるが、私の楽器ではVivoもAmoもドミナントとはまったく違う発音と音色をしていると思う。

 Vivoは、はっきり言ってソリスト向けで、アグレッシブに弾く人に向いていると思う。特に音量は数あるバイオリン弦のなかで最大級である。 それでいて、気品がある感じがある。エヴァ・ピラッツィ弦が好きな人には、好みにあうかもしれない。次回、張り直すとしたらこの弦を使うつもりである。長持ちするのではないかなあ。4ヶ月くらいはいけそうな気がする。

 Amoは、非常に評価が難しい弦である。特に驚いたのだが、2週間くらいしてから随分と音にしっとりとした艶が出てきて、音量も大きくなったことである。この特性は、他のバイオリン弦では経験したことがない。
  張ったばかりのころは、なんとG線、D線がかすれるというありえないこともおこり困惑。これには、いろいろな原因があり、弦のロットが悪いのか、毛替えを最高級イタリア産のものにしたのか不明。高級弓毛はツルツルしているので摩擦力が弱く、松ヤニをアルシェ201soloか粘り気のある黒猫ダークにして、駒を再調整すると、G線、D線がかすれる現象が随分とおさまった。
 

 Amoの音色は、みずみずしさと大き目の音量。特に弦楽合奏に合うのではないかという気がする。とくにE線が非常に美しい響き。HillのE線よりもよい感じがする。 オブリガート弦が好みである人は、この弦を使ってみるとよい。

 最後に動画があったので貼っておく。ある程度うまい人でないと弦の違いを録音で証明することはできないが、この動画は随分と違いを出してくれていると思う。