バイオリンと録音と

クラシックのコンサート、バイオリンの演奏方法、バイオリンのグッズについての記事多し。他、楽譜(Lilypond , Sibelius)、和声学、作曲、DTM関連を取り扱っております。

ビオラ

『2本のバイオリンのための組曲』を登録しておきました。
https://drive.google.com/open?id=1ynOSxS_4CD97qe05fArVmIE9hvtV6TD5

弦楽器フェア2019

今年も弦楽器フェアに行ってきた。

今回はビオラを中心にみてきた。手工ビオラの場合は、ほとんどサイズが40.5cm以上であったが、42cmくらいなら何とか弾けるかなあという感触を得た。教訓は、こうしたサイズよりも各製作者の工夫ということで、かなり弾きやすいビオラもあった。大抵はそういうビオラは指板が狭めで、ネックの厚みも薄く、重さも軽く作られている。肝心の音はやはりバイオリンと一緒で反応の良い楽器ということかなあ。自分ではビオラはうまく弾けないので今回は、演奏会の方に力を入れて精密に聴いてみた。

幸運なことに今回の演奏者である田原綾子さんとお話することができたので、演奏上のことでいろいろ聞いてみた。特に気になっていたのがボーイングなのだが、バロックボーの持ち方をしていたので、これはなぜかと尋ねてみたところ、腕が短いのでそういう弾き方をしており特に古楽奏法ということではないとのこと。確かに42cmを超えるような大きな楽器では、左腕だけではなく右腕も長さが必要なのだろう。

演奏の方は、これだけ多種多様なビオラをたくさん弾くのは大変なことのようである。

次にビオラの選定について、どのビオラが良いとか悪いとかはおっしゃっていなかったが、聴いている話のなかで大体わかった。今回のビオラの難曲である、ヒンデミットの無伴奏ヴィオラソナタと西村朗の超絶難曲の『C線のマントラ』が選曲されていたが、そうした曲を演奏するにはプロの要求する演奏技術に追随する反応の良い楽器ということになるだろう。それを1時間くらいで、各製作者のビオラにあった曲を選定しているということは、プロの直感であるはず。なので、おのずと解は推定できる。

これを判断材料にして、演奏家で演奏されたビオラを中心に試奏してみることにした。
C線の反応が鈍いのは、あたりまえのように感じていたのだが優れた楽器はそれをカバーするような工夫がされており、なるほどと思った。それにしても製作者が魂が燃える楽器というのがビオラなのかもしれないね。


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制作者の高橋さんに今回のビオラのことを尋ねてみたところ、「今回のヒンデミットで良い結果になっていたことはとてもびっくりした。私のビオラはアルトよりに制作していたので、音がごちゃごちゃせず、濁らなかったのがよかったのだろう」と語っておられた。

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こちらは荒井さんのビオラ。とにかく弦の長さにこだわりあり。ネック等もいろいろな演奏者の意見を取り入れて作ったとのこと。テールピースに工夫がありC線を長くとっているところが面白い。私なんかのようなバイオリン弾きでもかなり弾きやすいビオラであった。


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今回、面白かったのがベルナルド・サバティエ、マルタン・ロリさんの変形ビオラ。この楽器の売りはハイポジションが楽に弾けるというものだが、田原さんが珍しく弾きにくそうにしていたので、尋ねてみたところ楽器の形が原因とのこと。確かにこれでは初見では弾けない。楽器のバランスが随分と違うのである。
小さいビオラは分数サイズとのこと。
ロリさん曰く、フランスでは和という文字はハーモニーという意味になるので、パリ在住の日本人書道家に入れてもらったらしい。

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ビオラに興味

バイオリンの二重奏を聴いていると曲によってだが、鳴っていないはずのバスの音が聴こえたりするのが不思議。というわけで低音楽器をいろいろ調べてみたが、ファゴット、バスクラリネット、バスフルート、グレートバスリコーダー、マンドーネ、テオルボ、どれも吹いたり、弾けそうにないし、メンテも大変そうだし、価格的にも一番手ごろなのが、ビオラかチェロなんだけど、音域バランス的にバイオリン&ビオラの方が良いのかなあと思ったりもする。この組み合わせだったら、ヘンデル(ハルボルセン編曲もの)やモーツアルトなんかで結構いい曲もあるし、ピアノ曲からの編曲もやりやすい。

そんなこんなでビオラにも興味が沸いてきた。

ビオラにはいろいろなサイズがあるが、標準的なところとしては39.5cm、40.5cmで、大きなものは41cm、42cm、43cm。取り敢えず39.5cm,40.5cm,42cmのサイズを都内の弦楽器店で弾かせてもらった。

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う~む。39.5cmと40.5cmで大きく弾き味が違う。39.5cmの方は圧倒的に弾きやすいのだが、音がバイオリンに近い。音的には40.5cmくらいからビオラらしくなるのかなあ。42cmだとG線もいい感じになってくる。でもかなり弾きにくい。

ハイポジションが大変で、ラフマニノフのヴォカリーズで試してみたのだが、バイオリンなら指が届くのだけど、ビオラだと届かない。楽器を持ち上げるとかの工夫が必要かな。

しばらく弾いていると首が痛くなったり、肘を伸ばして弾くためか体の負担がでかいのかな疲れてくる。顎への振動も結構あり、軽い脳震盪になったような感じがする。

弓は70gで、毛がバイオリン弓より多いらしいのだが、バランスが良い弓だったのでそれほど重さは気にならなかった。

価格帯としては弓とセットで30万くらいからありそうなんだけど、上記の楽器よりは安い。でも遊びとしては高いか? 帰りに銀座の靴屋で、革靴をみてきたのだけれども、最低2万5千円からで一足7~8万が売れ筋で、高額なものだと78万とかもあって驚いた。これにくらべてサイクリングシューズなんか可愛いものだ。わたしならこんなの金だす気があるのならオーダーにするけどね。

まあこんな消耗品に散在するよりは、楽器を買う方がはるかに健全だよねと妙に納得してしまうのだった。
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