バイオリンと録音と

クラシックのコンサート、バイオリンの演奏方法、バイオリンのグッズについての記事多し。他、楽譜(Lilypond , Sibelius)、和声学、作曲、DTM関連を取り扱っております。

ベヒシュタイン

『2本のバイオリンのための組曲』を登録しておきました。
https://drive.google.com/open?id=1ynOSxS_4CD97qe05fArVmIE9hvtV6TD5

歴史的ベヒシュタインを聴けた幸せ

 先日、松原勝也さんのサロンコンサートへ行ってきた。岩のごとく大きなパワーのある音と、パッションあふれる演奏であった。自作の作品で、中東の聖歌のような歌がでてきたのがびっくりしたが、後で勝也さんに尋ねてみると、ラテン語でもなくヘブライ語でもなく、独自の言語とのこと。まあ、アディエマスのような感じかな。
 あと、どのようにしたらあのような大きな音が出せるのか尋ねてみたところ、『脱力ですね』ということだったのだが、そのような体を作らないといけないということなのだろう。

 ピアノ伴奏の方は、能海直子さん。勝也さんの妹さんなのだけど、今回は歴史的なベヒシュタインピアノでの演奏ということもあって、音のつぶがキラキラとはじけ、音がうまく滲み、バイオリンの音とうまくマッチしていた。相当にすごい調律師さんが調律したのだろうと思っていたら、案の定そうだったようだ。ピアノは調律師で選べとは、まさにこのことだよね。

 このベヒシュタインは1911年製、そうあのグスタフ・マーラーが亡くなったときに製造されて歴史的ピアノで、2ペダルのものを完全リニューアルしたらしい。それにしてもこの音は、出来立てほやほやという感じの若々しさがありとてもオールドピアノの音とは思えないのだが、おそらく私が今まで聴いた弦楽アンサンブルで使用されるピアノのなかで最高峰の一つであると思う。これが都内の小さなサロンで聴けるのだから、これほどの贅沢はないだろう。大きなホールだとどうしても音色が犠牲になるのでこのくらいホールだと、美音ベースで調律できるので最適。

●午後のひととき
 絵と音楽のコンサート 
 ヴァイオリン/絵画制作 松原勝也
 ピアノ/能海直子
 会場:SPACE167
 2019年7月7日14:00開演(当日は雨天)

 4つの小品:シベリウス
 悲しみのゴンドラ:リスト
 ウィーン奇想曲:クライスラー
 ソナタ第三番BWV1016より第三楽章 バッハ
 無伴奏バイオリンのための「連歌」 松原勝也
  ⇒上記曲をベースに変奏した作品(歌付き)
 3つのオレンジの恋 : プロコフィエフ(ハイフェッツ編曲)
 バイオリン・ソナタ:フランク
 アンコール:
 メンデルスゾーン:歌の翼に

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演奏会後に料理研究家が作ったお菓子をいただいた。甘さ控えめでとても美味しかった。


バイオリンが選ぶピアノ選び2

さて、今回は海外のピアノをみにいってみた。

今回は、輸入ピアノのお店に入ってみた。ショーウィンドにあるピアノが結構高価なピアノなので、ちょっと敷居が高いかなあと思いつつも、こういう入りずらいお店もバイオリン専門店めぐりをしていたおかげで躊躇なく、お店に入ってみた。お店の中は、こじんまりしているのだが、非常に個性的なサウンドをもつアップライト・ピアノやグランド・ピアノが数台ずつおいてあった。

最低価格が120万からなので予算的には厳しい感じがしたが、海外のメーカーがいかほどのものか、体験しておく必要もあるだろうということで、強欲にも店のすべてのアップライト・ピアノを試弾させていただいた。お店の人は、調律師&技術者の方で、ドイツで修行を積んできた方であった。バイオリンの構造等とか歴史とか、材料である木材のお話とか、バッハの音楽、古典調律法とかについて興味があった方だったので、非常に話がはずみ、閉店間際までいたのは、少し悪い気がした。

おいてあったのが、ペトロフ、グロトリアン・スタインウェイ、ベヒシュタイン2台、スタインウェイであった。すべてが非常に個性なサウンドなので、多分目隠しでテストされてもわかるぐらいの音色の差があった。特に驚いたのが、 ベヒシュタインで「ティアラこうとう」ホールにあるピアノをイメージしていたので、ものすごい轟音で鳴り響き、トランペットとトロンボーンとホルンに挟み込まれたような錯覚に陥ったほどである。どうやったらこんな音になるのか、相当に弾き込まれた楽器なのかと尋ねてみたのだが、そうではなく調整によるものとのこと。

ベヒシュタイン

あと、チェコ製のペトロフ。これは白い装飾ピアノなのであるが、音がプチプチ・キラキラといろいろな方向に点滅するような1音、1音に個性がある。日本のピアノ、つまり音のムラを極限までなくす方向性と、真逆の個性のピアノであった。

ペトロフ

スタインウェイの方は小型のピアノなのだが、侮るなかれ、これもすごい轟音系であった。ピアノのタッチも重く、手のごつい人でないとちょっと弾きこなしが難しい感じがした。

アップライトピアノのタッチについては、特に背の低いピアノでは、すこしバネのような感じがあるのだが、背の高いピアノの方が軽く、グランド・ピアノに近いタッチになる。これは構造上無理があるから小さなピアノはその傾向があるらしい。

全体にいえることだが、やはり海外の製品は個性が強く、同じメーカーであってもピアノ単体の違いが大きいということ。なんかこれは、バイオリンの選定にも似ていて面白い。こういう製品の方が、購入する方としては面白い気がする。

さて、次は究極のピアノと言われているシゲル・カワイを試弾しにいくことにする。



 
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