前々から気になっていたラカトシュ弦であるが、これを置いてある弦楽器店が近くに無いので、アマゾンで購入したのだが、結果これがよかった。

私は弦を張るときには、すべての弦をまず軽く緩めてからG線、E線、D線、A線の順番に張り替える。これは駒の水平角度と垂直角度を微妙に調整するため、A線を最後にするのはE線ペグ上の巻弦と重ならないようにするための配慮である。

弦を外したら、指板を丁寧にベビーガーゼで拭き上駒と駒の溝を2Bの鉛筆でなぞっておく。それから弦を1本ずつ張り替えていく。まずペグ穴に弦を通して弦を軽く巻きつけて回した後、テールピースの穴に弦を通す。そこから音程を合わせるためにペグを回していくのだが、最近は、慣れてきたので、ある程度までは一気にペグを巻いていく。

さて、ここで事件が発生。ラカトシュのA線はスチール弦であり、E線と同じように駒溝を防護するための小さなビニール管がに付いている。

これをいつものように張替えようとしたところ、A線がペグを巻いている箇所から断線してしまった。新品のA線を切ったのは、初めてのことだったのでとてもびっくりした。過去にオリーブのE線(金線)を2回連続で切ったことがあったが、これはヒル型アジャスターの弦を引っ掛ける部分の不備にあった。ここを職人さんに磨きなおしてもらってその後は、E線を切ったことがなかった。

でも今回はA線である。A線がこんなに簡単に切れてしまってよいのかと疑問に感じた。お店で購入していたとしたら返品が多分拒否されるだろうと思うのだが、今回は幸いにしてアマゾンで購入しておいたので、交換を依頼することにした。

それにしてもアマゾンの返品・再送手続きは簡単で、画面で必要事項を入力するだけで返品・再送手続きが完了する。後は、不良品と納品書を梱包し郵便局に行き、アマゾンに着払いで送るだけであった。
すると1日後に新品の弦セットが届いた。依頼には、A線のみでよいと書いておいたのだが、4弦セットで届いた。しかも、初回は郵便配達の簡易封筒であったのだが、今回は、いつものアマゾン箱で届いたのであった。この配慮には驚いた。おそらく、簡易な郵送方法だと問題があると感じたのであろう。ネットいうところの神対応というものである。

ということで、こういうトラブルに遭遇したのではあるが、気分的に悪くない。

さて、張替えだが、今回急ぎであったので、すでに御茶ノ水の下倉楽器で、ラーセン・ヴィルトゥオーゾ弦を購入して張り替えてしまっている。ただ、ラーセン・ヴィルトゥオーゾ弦のE線のパワー不足を感じていたので、ラカトシュのE線に変更したのだが、音量と音質ともにドンピシャであった。まさに怪我の功名かもしれない。
ラカトシュのE線の鳴りは、大きくよく響くとてもよい弦のように感じた。しばらくはこの組み合わせでいくと思う。

●教訓
 ラカトシュのA線はデリケート。E線と同じ扱いで。もしかしたらアジャスターが必要??(調査要)
 ラカトシュのE線はラーセン・ヴィルトゥオーゾ弦にベストマッチする(自分のバイオリンにおいて)