バイオリンと録音と

クラシックのコンサート、バイオリンの演奏方法、バイオリンのグッズについての記事多し。他、楽譜(Lilypond , Sibelius)、和声学、作曲、DTM関連を取り扱っております。

坂井みどり

『2本のバイオリンのための組曲』を登録しておきました。
https://drive.google.com/open?id=1ynOSxS_4CD97qe05fArVmIE9hvtV6TD5

勇気をもって音を出せ

演奏会は何箇所か、おっとと思う箇所はあったが無事終了。

個人的には、照明の関係で楽譜に書いてある弓のダウンアップ記号が見えにくいところがあったりとヒアヒアな部分もあった。次回は、裏プルトでは表プルトの楽譜は暗譜するくらいに覚えておかないと本番では焦りますな。

さて、お楽しみの飲み会であるが、今回は、あえて金管楽器のメンバーと同席するようにした。新しい団員、特に高校生とか、大学生とかのお話も聴いておきたいという趣向である。金管楽器のメンバーは、どこのオーケストラでも陽気な人が多い。またマニアックなチェリビダッケ愛好家やブルックナー愛好家もいて楽しく会話が楽しめた。

ここで面白い質問をしてみた。

『トランペットのミュートはいつごろから開発されたのだろうか。』

様々な意見があって面白かったが、

「そもそもミュートはジャズ音楽がでたころに開発されたものなので20世紀になってからでは?」
「ではマーラーはどうなる?」
「ピストンやロータリーがなかったバロック時代のトランペットには、ミュートはなかったのではないか? 」
「そもそもバロックトランペットにミュートする意味がないのでは?」
「いやいやあったはず。」
「〇〇さん。バロックトランペットを吹いたことあんの?」
「バロックトランペットは面白いよ?」
「今度、吹きたい!」

などなど。

あとミュート繋がりで、バスーンやオーボエにもミュートがあるということで参入してきた。実は、バスーン女史曰く、今回の3つのコラールの1曲目ではそのミュートを使っていたとのことであった。

※都響のサイトにミュートの歴史について記載してある。
 
しばらくすると、途中でソリストの坂井みどりさんと、その旦那さま(当団のトレーナー)が合流して、お話する機会があった。坂井さんは、若いときに台湾のオーケストラにいたのだが、台湾の料理は美味しかったとか、台湾のプロオケのお話もしてくれた。その当時は5つ程のプロオケあったとのこと。台湾で演奏会を開催すれば、親日国ということもあり盛り上がるのではないかと、そんな話し。

旦那さまとは、禁断の水晶歌口の特注フルートのお話。ストラド的な音の速さがあるらしい。あとは、日本のプロオケの個性についての話し。やはり音楽監督によって随分と音は変わるらしい。特に、東京交響楽団の音楽監督ジョナソン・ノットに対しては、かなりその音楽の作り方を評価されておられた。東京交響楽団は、最近音が随分変わってきているので、是非聴きに来いとのことだった。ということで、来年はジョナソン・ノットに注目して演奏会に行って見ようと思う。

あと、オーケストラへのアドバイスについて、いくつかの含蓄のあるお言葉を頂いた。特に印象に残っているのは、
『日本のアマチュア・オケの大抵の駄目なところ。それは勇気をもって音を出せということ。』
トレーナー(先生と呼ぶと怒られる)は、いつも大きな音を出せと言い続けておられる。ピアノと言えば、そこはピアノであるということで、機会的に音量を落としてしまうメンバーもいるが、それでは駄目。頭で理解していても、体で表現できないメンバーもいる。この勇気を付けることが、音楽の表現において非常に大事であるという指導なので、管楽器の人を特に顔が真っ赤になるまで何回も吹かせる指導をされている。

他のお話のなかで、金管メンバーもいっていたが、弦が萎縮していると、われわれも強い音が出せないとのことであったので、オーケストラ曲のピアノの部分というのは、アンサンブル的に難しい部分が非常に多いのだが、そこを勇気をもって強く弾ける度胸をつけるくらい練習せねばと思った次第であった。




演奏会のご案内

そろそろ案内をしておくべきことなのだが、杉並公会堂で11月29日の演奏会にファースト・バイオリンで出演する予定。曲目は、以下の3曲。

J.S.バッハ :レスピーギ 3つのコラール
ブルッフ :ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
ブラームス:交響曲第4番ホ短調

※チケットは以下の招待状をもっていけば無料です。
http://bunpaku.com/img/syoutai30.pdf

最初の曲は、バッハのオルガン曲からレスピーギがオーケストラに編曲した作品。第一曲は、結構いろいろな楽器で編曲されており、トランペットとか、サクソフォンとか楽器ごとに味があって面白いので、演奏を聴いて興味をもって頂けたなら聴いてみるとよい。

第二曲はバッハのコラールで優れた作品が多い中で、レスピーギが何故、この曲を選んだのか謎。非常に短いし、セカンド・バイオリンは全休である。

第三曲は、ソフトバンクのCMにも使われていた『目覚めよと呼びわたる物見の声』である。最初、このCMを見た時に、なんと意味深な曲を使うんだと、CMの選曲者は、「してやったり」とほくそ笑んでいる顔が浮かぶようであった。

ブルッフのバイオリン協奏曲第1番は今回の目玉かな。濃厚なロマン派の曲を東京交響楽団の坂井みどり先生をソリストにお迎えしての演奏することになっている。
今年は、コンクールのお付き合いもあり、この曲を随分と聴いていた。驚くべきことは、今時の音高生、高校生とかは、この曲をノーミスで軽々と機械的に精密に弾きこなす。でもそれは、コンクールミュージックに過ぎず、バイオリン大道芸としての魅力は全く無い。観客をいかに楽しくさせるかが、この曲の真骨頂であるし、聴かせどころであるので、そのような演奏を目指したいものである。

メインは、ブラームスの交響曲第四番。秋にふさわしい選曲である。この交響曲は、中学時代に最も良く聴いていた曲であり、高校入学試験で『あなたが大切にしているもの』というテーマの設問で、生意気にもカラヤン=ベルリン・フィルとベーム・ウィーンフィルの演奏比較をしつつその素晴らしさについて字数制限一杯に解説しつつ書いていたものであった。

当時は、カラヤン=ベルリン・フィル、カール・ベーム=ウィーンフィルの全盛期であり来日もしており、FM放送はエアチェックしたカセットテープを擦り切れるくらいに聴いていた。当時は、第2楽章はあまり聴いていなかったのであるが、いざ演奏してみると、ホルンとピチカートの前半が終わり、中間部にいったときの弦楽合奏の部分は、凄くロマンチックで、夜空を恋人と一緒に眺めているような美しさがある。
シンドイのが、第三楽章と第四楽章で、指揮者は「カルロス・クライバーを目指す」と言っておられ、アマチュアではありえないエゲツナイ速度で弾くように指示しているので、ほとんどついて行っていないが、後で録音したものを聴くと、なんかごちゃごちゃしているが、太筆で一気に書いた『書』のように、ゴツゴツした質感のようなものは感じられた。とはいえ、もっと練習しておかないとなあと思っている。

ということで宣伝終了。

以下は、参考音源です。











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