本日、楽しみにしていた分割鍵盤のコンサートへ行ってきた。
今回、初めて行く新大久保のコンサート会場。なんか怪しい感じでワクワク感がある。地下1階にあり客席数は80人くらいかなあ。1時間前に到着したのだが、すでにチケットはソールドアウト。まあ、よくこれだけマニアックな人達が集まったものだ。会社員、主婦が多かったが学者ぽい人や音楽評論家も来ていた。若い人も結構来ていた。それだけ関心が高いンサートだったのだろう。
受付嬢の方も大変マニアックな方で、ピュタゴラスコンマとかシントニックコンマの話がわかりますかと尋ねてこられたので「ウェルカムです」と回答したところ、「こんな本があるんですよ」と見せてくれたのがこれ。この本に内容にびっくり仰天。調律のカタログ集で、108種類の調律法が記載してある。もちろんピーターゼルキンの1/7SCミーントーンも記載してある。音律マニアなら絶対に欲しい本。こんなの世界中の音楽図書館にも存在しない。その道のプロもびっくりの超絶にエグイ内容の本であったのだ。こんなのが日本にあるのか!!。もちろん即購入した。でもタイトルが『小さくってもドデカゴン』??
「ファーイ・ジャパニーズピープル。マニア過ぎるだろう!」
と叫びそうになったくらいだ。
こちらで取り扱っているとのこと。
『小さくってもドデカゴン』
さて肝心のコンサートの方だが、実に楽しいものであった。
馴染みのない曲がほとんどなので、ミーントーンの心地良いサウンドのため途中で寝てしまわないかと心配であったのだが、全然そんなことはなく、変化に富んだ曲が多かった。プログラムのバロック初期から後期と並べてくれていたので、サウンドの移り変わりも楽しめた。特にバイオリン奏法の進化の歴史がよくわかった。
今回は驚いたのは、バイオリン奏法で、フレスコバルディの時には、古い絵画にあるような胸の乳首より少し下あたりにバイオリンを付けて弾く奏法を採用していたこと。古楽の演奏家でもここまで忠実に奏法を再現する人は少ない。この奏法だと、ポジション移動が困難になるためほとんどファーストボジションで弾く奏法になる。また弓も非常に短い。利点は、バイオリンを顎に付けないので歌いながら弾けると言うくらいかな。それがコレッリまで来ると随分とハイポジションを使うようになり、弓も長いものを使うようになってくる。進化しているのが良くわかる。
発見というわけではないが、ウッチェリーニ のヴォイオリン・ソナタは小技を適度に散りばめており良い感じだ。名前も相撲の決まり手の『うっちゃり』に似ているし親近感がある。廣海さんの演奏は、少々おおとなしいかな。マンゼがやるような大胆装飾を取り入れるなりするともっと良い感じになると思う。
一方の坂本さんの演奏は、やりたい放題な感じで、テオルボの存在を随分とグイグイと聴かせていたので楽しが伝わって来る。実はテオルボはテノール歌手の伴奏に向けに開発されて来たが旋律楽器としても向いているのですよと、後から解説があった。
さてメインデッシュの分割鍵盤だが、違和感のある半音階音律と美しい和音攻撃で、脳が撹拌されているような刺激がある。中世という感じの怪しげな響きは魅力的。奏法上の問題でこうした分割鍵盤が使われなくなったのはもったい気がする。『現在の演奏者なら全然平気よ』と、山縣さんにが楽々弾いているのを見ると、こうした楽器もどんどんと復活してくれば良いなあと思った次第。現代の作曲家から見ると随分と可能性のある楽器と思う。
全体的に各楽器間の音量のバランスも最適であった。お客様が増えていくのは良いこと。今後はトッパンホールあたりでも演奏して欲しい。
蛇足になるが、演奏服はせっかくその時代の楽器を使って音楽をやるのだから、服装もその当時の服に合わせてくれた方が雰囲気が出て良いと思った。雰囲気も音楽演奏では重要ですからね。日本の演奏家は服装に無頓着な人が多いので、海外の演奏家と比べて随分と損していると思う。イザベル・ファースト、ムローヴァ等、一流どころの海外のバイオリンの女流奏者は斬新な服装をしてますからね。その服装とともに記憶が残っているものである。
2017年2月7日スタジオ・ヴィルトオーゾはじめよう!コンティヌオ・ギルド〜十七世紀イタリアのヴァイオリン音楽を彩る通奏低音の世界〜テオルボ 坂本龍右チェンバロ 山縣万理バロック・バイオリン 廣海史帆フレスコバルディ:スピネッティーナとヴァイオリンのためのトッカータカントとバッソのためのカンツォーナ「ニコリーナ」カプスベルガー: トッカータ第二番「アルベッジャータ」ビアンチャルディ:ファンタジア第三番ピッキ:パッサメッツォクァリアティ:ヴァイオリンとテオルボのためのトッカータカステッロ:ソプラノのためのソナタ第一番〜休憩ウッチェリーニ :ヴァオリンソナタ第八番作者不詳(モデナの手稿譜)テオルボのパッセージパスクィーニ:バッサガッリコレッリ:ヴァイオリン・ソナタ第四番
今回、初めて行く新大久保のコンサート会場。なんか怪しい感じでワクワク感がある。地下1階にあり客席数は80人くらいかなあ。1時間前に到着したのだが、すでにチケットはソールドアウト。まあ、よくこれだけマニアックな人達が集まったものだ。会社員、主婦が多かったが学者ぽい人や音楽評論家も来ていた。若い人も結構来ていた。それだけ関心が高いンサートだったのだろう。
受付嬢の方も大変マニアックな方で、ピュタゴラスコンマとかシントニックコンマの話がわかりますかと尋ねてこられたので「ウェルカムです」と回答したところ、「こんな本があるんですよ」と見せてくれたのがこれ。この本に内容にびっくり仰天。調律のカタログ集で、108種類の調律法が記載してある。もちろんピーターゼルキンの1/7SCミーントーンも記載してある。音律マニアなら絶対に欲しい本。こんなの世界中の音楽図書館にも存在しない。その道のプロもびっくりの超絶にエグイ内容の本であったのだ。こんなのが日本にあるのか!!。もちろん即購入した。でもタイトルが『小さくってもドデカゴン』??
「ファーイ・ジャパニーズピープル。マニア過ぎるだろう!」
と叫びそうになったくらいだ。
こちらで取り扱っているとのこと。
『小さくってもドデカゴン』
さて肝心のコンサートの方だが、実に楽しいものであった。
馴染みのない曲がほとんどなので、ミーントーンの心地良いサウンドのため途中で寝てしまわないかと心配であったのだが、全然そんなことはなく、変化に富んだ曲が多かった。プログラムのバロック初期から後期と並べてくれていたので、サウンドの移り変わりも楽しめた。特にバイオリン奏法の進化の歴史がよくわかった。
今回は驚いたのは、バイオリン奏法で、フレスコバルディの時には、古い絵画にあるような胸の乳首より少し下あたりにバイオリンを付けて弾く奏法を採用していたこと。古楽の演奏家でもここまで忠実に奏法を再現する人は少ない。この奏法だと、ポジション移動が困難になるためほとんどファーストボジションで弾く奏法になる。また弓も非常に短い。利点は、バイオリンを顎に付けないので歌いながら弾けると言うくらいかな。それがコレッリまで来ると随分とハイポジションを使うようになり、弓も長いものを使うようになってくる。進化しているのが良くわかる。
発見というわけではないが、ウッチェリーニ のヴォイオリン・ソナタは小技を適度に散りばめており良い感じだ。名前も相撲の決まり手の『うっちゃり』に似ているし親近感がある。廣海さんの演奏は、少々おおとなしいかな。マンゼがやるような大胆装飾を取り入れるなりするともっと良い感じになると思う。
一方の坂本さんの演奏は、やりたい放題な感じで、テオルボの存在を随分とグイグイと聴かせていたので楽しが伝わって来る。実はテオルボはテノール歌手の伴奏に向けに開発されて来たが旋律楽器としても向いているのですよと、後から解説があった。
さてメインデッシュの分割鍵盤だが、違和感のある半音階音律と美しい和音攻撃で、脳が撹拌されているような刺激がある。中世という感じの怪しげな響きは魅力的。奏法上の問題でこうした分割鍵盤が使われなくなったのはもったい気がする。『現在の演奏者なら全然平気よ』と、山縣さんにが楽々弾いているのを見ると、こうした楽器もどんどんと復活してくれば良いなあと思った次第。現代の作曲家から見ると随分と可能性のある楽器と思う。
全体的に各楽器間の音量のバランスも最適であった。お客様が増えていくのは良いこと。今後はトッパンホールあたりでも演奏して欲しい。
蛇足になるが、演奏服はせっかくその時代の楽器を使って音楽をやるのだから、服装もその当時の服に合わせてくれた方が雰囲気が出て良いと思った。雰囲気も音楽演奏では重要ですからね。日本の演奏家は服装に無頓着な人が多いので、海外の演奏家と比べて随分と損していると思う。イザベル・ファースト、ムローヴァ等、一流どころの海外のバイオリンの女流奏者は斬新な服装をしてますからね。その服装とともに記憶が残っているものである。