クラシック音楽サイトの掲示板には、よく以下のような挑戦状が書かれることがある。
『ミュージシャンAの方が、作曲家ωの方よりも天才だと思いませんか?』
そのミュージシャンAの楽曲を選曲したフィギュアスケーターが本番で転んでしまったのはご愛嬌でしかないが、敬愛する作曲家ωは、基本的に『ドティラソ』で曲を書いている。
それにしても、『ドティラソ』
ふ~む。『ドティラソ』
『ドティラソ、ドティラソ』
あれ?
あれ?あれ?
あれ?あれ?あれ?
なんか閃いてきたぞ。
以前、セキュリティについての講習会で、暗証番号は他人はわかりにくいが、自分にとっては覚えやすいものでないといけないと説明された。例が以下である。
【暗証番号の例】$FUJISANHA$3776MDESU
これは、「富士山は3776メートルです」という短文を暗証番号にして、適当に$マークなどを挿入しておくというものである。これだと文字数の多い暗証番号になるし、英数字以外の文字列を挿入することにより、より安全で類推されにくく覚えやすい暗証番号になるとのことだった。
さて、このことをヒントに上記の質問を少しマニアックにアレンジしてみた。
作曲家ωはこの『ドティラソ』という便利な暗証番号を使って様々の楽曲を作っている。天才ミュージシャンAが血みどろの努力や感性を総動員して楽曲を生み出しているのに、それよりも遥かに才能が劣る作曲家ωはこれだけの暗証番号で、数百曲を作曲して、堂々と300年以上存在し続けているのである。実にけしからん話である。
書いている最中に、ある暗譜方法を考えつくことができた。作曲家ωの作曲技法を逆手にとる暗譜法『ドティラソ暗譜法』である。
⇒ 簡単ね。
【演習2】
さて、さて、暗譜といえば、うんざりしておられる方が多いと思われる。私も苦手であるが、師匠からは暗譜が得意と思われているが、単純な暗記は苦手である。たぶん、その差は、音楽を理解して覚えようとしているかどうかにあると思う。
このドティラソ暗譜法を使って暗譜する試みをやってみる。演習曲は作曲家ωの有名なメロディである。
【演習1】
以下の楽曲の階名で書かれたメロディを暗譜せよ。
調性はD-durで4拍子。固定ドの人は音名D Cis H A で考えれば良い。
│ド ティ ラ ソ│
⇒ 簡単ね。
【演習2】
演習1を2倍の長さにした次の楽曲のメロディを暗譜せよ。
│ ド ティ│ ソ│
│ド ティ │ラ ラ ソ │
⇒ ド、ティ、ソの音がオクターブ跳躍しているだけ。【演習3】
演習2のリズムを変更した次の楽曲のメロディを暗譜せよ。
│ │ド─ ─ │ ティ │ │ ソ │
│ド─ ─ ─│ ド│ティ (休)ティ│ララララ│ソ (休)(休)│
⇒ なんか見えてきたかな?
【演習4】
演習5
楽曲を暗譜し、曲名を当てよ。続きを読む