弦楽器フェアで金井製作所に依頼していたバイオリン用肩当てのレゾネーターであるKaNaDe The Strings2が到着した。説明書によると以下のようである。
KaNaDeは可聴域の周波数帯に8つの固有振動を持ち、比重と粒径の異なる原料を配合し、マメ科木材ブビンガと同じ気孔構造を持たせた、世界初の音響用の複合材料。弦を弾いた時に肩当てに伝わる音振動をKaNaDeで共振増幅し、ボディへ伝えます。特に弾いた音の真ん中が強調され、遠くまで直接音が伝わりやすくなります。

 難しい解説であるが、要はバイオリンの音を増強してくれる肩当ての最強宝具であると考えてもらってよい。この宝具で演奏することにより誰でもプロのような音がしまった音を発音することができる魔法のアイテムである。信じる者は救われるのか、騙されるのかは、ご自分で判断してほしい。たぶん、かなりびっくりすると思う。

 購入したい方は、金井製作所の小林さんにメール(kobayashi@e-kanai.com)で連絡。手順としては、自分の肩当てを送付し、KaNaDeを取り付けてもらい、ヤマト便を着払いで受け取るというものである。代金は、私の場合以下だった。

 取付工賃7,000+送料450+代引き420=7,870円
※現在、特別価格なので近々値上げになると思います。 
 
 と、宣伝に協力してしまったが、大発明であると思うので許してくれたまえという感じである。

さて、パッケージの内容は以下のようである。

  取説

  製品安全データシート(SDS)  
 → 特殊金属を使っている関係で注意事項の記載にびっくりすると思うが、問い合わせたところ以下のようである。
安全データシートSDSは安全である証明です。
クロムは配合しているステンレス粉の成分ですので、ご家庭の包丁と同じく安全でございます。インシュレーター類はマニアが購入し、何度注意しても削ったりする方がいらっしゃるためにSDSを添付しています。削った粉物の対してSDSを添付するのが厚生労働省からの指針ですので・・・

  本体
   ヴィヴァ・ラ・ムジカ ダイヤモンド メイプル/ダークに取り付けてもらった。
 
  保護フェルトの予備とネジ予備。本体のネジはステンレス製。
   予備のネジは鉄製。音色が異なるとのこと。

 重量は113g  肩当てが64g  Kanadeが49g(ネジの重さ込み)
 KaNaDeStrings2


あれれヴィヴァ・ラ・ムジカの足の角度が揃っていない。撮影時に傾いたのかも。この状態はNGなのでヴィヴァ・ラ・ムジカを使っている人は注意。30度か45度で合わせること。

 KaNaDeフェルト予備

メール注文するときに、フェルトの色を指定しておくと良いと思います。


KaNaDeは13.00mmで音質が出来上がっており、薄くすると成り立ちませんとのこと。
サイズを小さくする改良を試みているとのこと。

KaNaDe取り付け


ある程度、足を高くしておかないとバイオリンの裏板にKaNaDeが当たってしまうので注意。


使ってみて感じたこと。

 20種類くらいのバイオリンで試したが、どのバイオリンも音質、音量がアップ。

 音量アップは、バイオリンによって大きく違う。1.1倍から1.5倍くらいになる感じ。安いバイオリンだと音量がかなりアップする気がする。性能の高いバイオリンは、もともと音量があるので音量アップの影響の割合が少ない。逆にいうとこの肩当てを使えばバイオリンの性能を鑑定できるということかも。ちなみに私の楽器の場合は、1.2倍程度。

 音質は、しっかりとつまった密度の高い芯のある音になった。つまりホールの奥に音が通せる音になる。これはすべてのバイオリンで共通。これはすごいことだと思う。
 
🔑長時間弾くとネジ部分が緩んでくるので、ネジをきつ目に締めておく(締め過ぎは禁物)。バイオリンケースに十字ドライバを入れて置かないとトラブル時に困るかも。
→11/25追記 長時間弾きは厳禁。使用前、使用後にストレッチ要。


 課題は、重さと肩当ての重量バランス。肩当てをKaNaDe専用に設計すればさらに良いものができる気がする。

●追記 11/13
 この肩当てで弾き込んだバイオリンの肩当てを外して弾いてみると、あら不思議。音量が増え音質も良くなっている。これは、うまいプロの先生に弾き込んでもらった後のバイオリンの不思議な現象とも似ている。これは心理的効果もプラスされているのかもしれないので、使ってみた人の感想を聴いて見たい気がする。

●追記 11/15
 音が良くなることによりバイオリンの練習が楽しくなった。また肩当ての重くなることはデメリットと感じてはいるが、肩当てが外れにくくなったというのはメリットかもしれない。


●重要追記 11/25 
   この肩当てを使うにあたり十分に注意することは、肩や頚椎を痛める可能性が高いということ。
万能の宝具というのはやはり存在しない。肩当ての基本は、肩当てを鎖骨に当てて保持することにあるのだが、インシューターが逆側についている影響で、この重さをカバーするために、顎当ての方向に力を加えてしまうので、頚椎に余分な負担がかかるためである。
頚椎症になると、バイオリンを弾くどころの話でなく日常生活にも大きく影響するので、使う場合は連続使用は避け、使う前と後で、必ずストレッチ体操をしておかなければならない。それとバイオリンを正しい姿勢で保持することはいうまでもない。
 ストレッチは、以下のサイトが大変参考になる。